犬の白内障手術の費用

犬が白内障を発症した場合、手術で治すことになりますが、手術に踏み切らない飼い主もたくさんおられます。

というのは、手術にはリスクが伴うことと、犬の寿命は人間よりずっと短いので、そのことを考慮してということがあるのだろうと思いますが、

それを同時に手術にかかる費用の高さがネックになって手術ができないという場合もあるようです。

白内障手術費用は病院によっても若干違うようですが、平均すると、検査料も含めて、片目につき30万円前後は必要のようです。

これは保険がない場合の人間の白内障手術費用とほぼ同額です。

つまり、犬の手術は人間とほぼ同じような器具を使い、同じような手術を行うということです。

むしろ、犬のほうが人間より難しいくらいですので、その分も含まれているのかもしれません。

白内障の手術にかかる費用の大まかな内訳は、術前検査料、水晶体超音波乳化吸引術にかかる費用、眼内レンズ挿入にかかる費用、そして入院代や薬代ということになります。

それらを合わせた合計金額が白内障の手術に必要な費用ということになります。

ちなみに人間の白内障手術も以前は、水晶体の入れる眼内レンズが保険適用外だったので、かなり高額でした、

しかし、幸いなことに、平成4年の4月以降は、眼内レンズも保険が適用されるようになりました。

つまり、人間の場合もけっこうな額が必要だったのです。

また今でも、遠近両用の多焦点レンズを挿入する場合は、保険適用外になります。

高額な手術費を軽減させるために、ペット保険もあります。

犬種として白内障にかかりやすい犬もいますので、ペット保険に加入しておくと安心かもしれませんね。

犬の白内障手術の危険性

犬の白内障手術には少なからず危険が伴います。

・全身麻酔

人間の白内障の場合は局部麻酔で手術が可能ですが、犬の場合は暴れたりしないように全身麻酔となります。

しかし、全身麻酔にはリスクもともないます。

・手術の難しさ

白内障の手術はとても繊細な手術です。熟練した技術が必要になります。

また、犬の水晶体は硬いために、その分余計に難しくなり、時間もかかります。

また、薄い水晶体嚢が破ける危険性や、角膜が損傷する危険性もあります。

・出血

手術中の出血の危険があります。術中に眼底出血が起こった場合はとても危険です。

出血が激しければ、視力の回復が望めない場合も出てきます。

・炎症

細菌による感染症の危険性もあります。

感染症は、手術中や術後に、何らかの原因で眼の中に細菌などが入り込むことで起こりますが、犬の白内障手術は時間がかかりますので、その分リスクが高くなります。

もそも100%安全だと言い切れる手術などありません。

また人間のお医者さんはそれぞれ専門の科があって、分担して治療にあたりますが、獣医は一人ですべての科を見なければなりません。

それが何を意味するかはおわかりになると思います。

リスクを少しでも回避するためには、評判の良い、また設備のしっかり整った病院を選んで手術をうけさせることではないかと思います。

犬の白内障手術の問題点

犬の白内障手術にはいくつかの問題点があります。

一つ目に、白内障の手術がきちんとできる動物病院がそれほど多くはないということです。

ですから、まず病院探しから始めなくてはなりません。

二つ目に、手術そのものが難しいというリスクの問題があります。

たとえば、麻酔は全身麻酔になります。

獣医は麻酔科の専門というわけではありませんし、全身麻酔そのものにリスクがあります。

また水晶体は人間のものに比べると硬くて大きいので、手術に時間がかかります。

ですから手術そのものが難しいということと、その分感染症を引き起こすリスクが高くなるという問題があります。

三つ目に、術前、術後のケアがきちんとできるかという問題があります。

簡単に言えば、目薬をさすことができるかということです。

普通目薬を犬は嫌がります。犬の性格によっては、手術が受けられない場合もあります。

また、飼い主も犬に一日数回の目薬をさす余裕があるかという問題もあります。

四つ目に手術代が高額という問題があります。

ペット保険に加入していなければ、ひとつ30万円前後かかります。

五つ目に、白内障の手術が成功する確率は高いですが、しかし、人間に比べると低くなります。

せっかく手術をしても結局視力が回復しなかったり、再発したりというリスクがあります。

このように、人間で言えば、白内障は簡単な手術であるというような言い方がされることがありますが、犬の場合はそうでもないのです。

実際には人間の白内障の手術もとても繊細で、熟練を要するもので、医師から言わせると、かなりプレッシャーを感じる方もあると言います。

犬の場合はなおさらのようです。

ですから、リスクのほうが高いと判断された場合、手術そのものが拒否されることも病院によってはあるようです。

犬の白内障手術の内容

犬の白内障手術は、基本的には人間の場合と同じように進めていきます。

まず最初に術前検査を行います。

この検査がとても重要であり、また難しいところだと言われています。

たとえば、電気網膜図や眼内用の超音波診断装置を参照するなどして、手術の効果があるかないかを判断します。

しかし全国の動物病院でも、そのような器械を備えているのはあまり多くはないという問題をかかえています。

せっかく手術をしても、うまくいかにケースが犬の場合はかなりあります。

ですから、肝心なのは、手術をしたら、回復が見込めるかどうかの判断なのですが、次のような方法でも確認ができるそうです。

まず犬を真っ暗な部屋に入れ、5分間待ちます。

5分たったあと、犬の眼の約10センチくらい先からフラッシュをたきます。

このとき犬がフラッシュに驚いてぴくっと動けば、その眼は手術すると見える可能性があるそうです。

術前準備として、抗生物質の点眼を開始し、感染症のリスクを減らします。

手術は全身麻酔で行います。

人間の場合、局部麻酔ですので、比較的簡単ですが、全身麻酔にはやはりリスクが伴います。

手術は超音波乳化吸引術という方法で、白濁した水晶体を取り除きます。

まず、水晶体を包んでいる嚢という薄い透明な膜に2,3ミリの穴を開け、そこから中の濁った水晶体だけを超音波で砕いて液化させ取り除きます。

濁った水晶体を取り出したあとは、残っている嚢の中に眼内レンズを挿入します。

ここが難しいそうです。

というのは、嚢がとても薄い膜で、簡単に破れてしまうからです。

その膜を破らずに中身だけ取り除くには、かなりの熟練を要するようです。

手術後も感染症などのリスクを予防するために、およそ3ヶ月間点眼しつづけます。

犬の場合、やはりじっとして目薬をさすことができるかが問題になります。

 

犬の白内障の治療方法

ある日、突然犬が散歩に行くことを嫌がったり、物のよくぶつかるようになったら、飼い主はどうしたのだろうと心配になると思います。

そして目をよく見てみると、ぼやっと白っぽくなっているのを発見し、白内障では?と病院に駆けつけることになります。

犬は白内障になっても、自分からそれを飼い主に伝えることができませんので、飼い主が気づいてあげるしかありません。

しかし、気づいたときには、かなり進行してしまっていることが多く、それゆえ、残された治療法の選択も少なくなってしまいます。

とは言うものの、もともと犬の白内障の治療法というのは、大きくわけて、目薬による治療と、外科的手術による治療の二つしかありません。

目薬による治療は、カタリン・カリーユニ目薬等のピノレキシン製剤や、タチオン・ノイチオン目薬等のグルタチオン製剤などを用いて、白内障の進行を遅くさせますが、すでにある程度進行していれば、残された手段は手術をするか、しないかという選択になります。

手術は、まず白く濁った水晶体を超音波で砕き、それを吸い取って取り除きます。

水晶体を取り除いたら、今度は代わりに眼内レンズを入れてやります。

犬用の眼内レンズも最近は良いものが出ているようで、人間に比べると手術の成功率は低いですが、それでも90%程度は治るようです。

ただ、白内障の手術が高額なのと、術後のケア(目薬をさす)が大変なので、それをきちんとクリアできなければ、手術を受けさせないという動物病院もあるようです。

すべての動物病院で白内障の手術を行うことができるというわけではないので、良い動物病院を探さなければならないのも、大きなネックとなります。

犬の白内障の理由

ネット上で犬の病気に関する質問を見ていると、白内障で悩んでいるケースを時々目にします。

手術をうけさせるべきかどうかとか、どの動物病院が有名かとか、あるいは、手術代はいくらくらいかかるのかなど、いろいろな質問が飛び交っています。

しかし、そのような質問を眺めているうちに気がつかされたのは、老化現象のひとつとして捉えていた白内障に対し、生後まもないのに白内障にかかっている犬がけっこういるということでした。

そこで、調べてみると、確かに犬の白内障は、若年性、あるいは先天性の白内障が人間に比べてかなり起こりうるということでした。

これらの白内障は遺伝的な原因が強いので、犬は白内障の遺伝因子をかなりの割合で引き継いでしまうのでしょう。

さらに、そのような遺伝的に白内障にかかりやすい犬種もわかっていて、それゆえ、そのような犬をペットとしてむやみに繁殖させることに警鐘をならしている専門家もいます。

遺伝的に白内障になってしまう場合は、母親の胎内にいるときから白内障にかかってしまうケースもあれば、生後半年~2年くらいして突然に白内障を発症する場合もあります。

これは防ぐことが難しく、また手術をしても、完治させることが難しいと言われます。

犬が白内障になる原因

犬も人間と同様に白内障になります。また犬の白内障の原因も人間の場合と似ています。

しかし、人間は加齢性白内障がほとんどであるのに対し、犬は加齢以外で起こる白内障の割合も多いようです。

犬の白内障の原因は大きく分けると三つあります。

一つ目は、胎生期に何らかの原因で水晶体がきれいに生成されず、濁ったままで生まれてきてしまう場合です。

これを先天性白内障と言います。

先天性白内障は一種の奇形で、原因として考えられるのは、遺伝です。また母体の代謝疾患、母体の栄養障害、子宮内感染なども原因として考えられます。

二つ目は、生後6ヵ月から2歳半ぐらいまでに症状が現れるもので、これを若年性白内障と言います。

これも遺伝的なものが主な原因と言われています。

この若年性白内障で興味深いのは、急激な生活環境の変化も原因となっているということです。

よく例としてあげられるのが、シベリアン・ハスキーです。

ご存知の通り、シベリアン・ハスキーは極寒の地シベリアで生きている犬です。

日光のほとんどささない世界で生き、食べ物もトナカイの肉をひとかたまりと粗食で、激しい労働をさせられながら人間とともに長く生きてきました。

それが日本のように暖かで、紫外線が降り注ぎ、栄養過多な食事を与えられるペットして飼われるようになったのですから、生活環境の変化はあまりにも急激なものでした。

この急激な環境の変化に体がついていけなかったものが、水晶体の代謝作用に異常をきたし、それが原因で白内障となってしまったとする説です。

三つ目は老年性白内障と呼ばれるものです。

つまり眼の老化です。人間と同様に、加齢が原因としては白内障になるケースも多くあります。

老年性白内障は、7,8歳、早いもので5歳過ぎころから症状が見られるようになります。

老化現象というのは、活性酸素が異常に働き、酸化作用が起こることが原因とされていますが、眼の水晶体の中でも酸化が起きてしまうようです。

これが白内障の原因のひとつとされています。

本来、活性酸素を抑える物質、カルノシンという物質が体内で作られ、細胞が老化していくのを守っています。

しかし、加齢により、このカルノシンの生成が減少してしまうのです。

犬の眼の特徴

犬の眼は、いったいどのように見えているのだろうかと考えたことはないでしょうか。

犬を飼っている人なら、犬の眼は人間と同じように見えているのだろうと思っているのではないかと思います。

しかし、嗅覚や聴覚が人間のそれとは全然違うように、眼も随分と違うようなんです。

臭覚や聴覚が人間に比べて優れているのに対し、視力は必ずしもそうではないようです。

たとえば、動体視力のような、動いている物を捕らえる力は人間より優れています。

また、見える視野も広く、人間の視野が約180度程度であるのに対し、犬の視野は250度~290度近くもあるようです。

また、犬は瞳孔を大きく開いて光を多く取り込むことができ、光を感知する器官も人間の7~8倍もあるために、暗いところでも物がよく見えます。

ところが、これに対し、色の識別などは人間よりはるかに劣っています。

色彩を感知する錐体という器官が人間の10分の一しかなく、犬が見分けられる色はとても限られているのです。

ですから、人間が見ている景色とは違う景色を見ていることになります。

具体的には、青とか黄色、紫はわかるようですが、赤などはわからないようです。

それから、多くの犬は遠くがあまり見えないようです。

人間の視力でいうと、0,2~0,3程度だとも言われます。その理由は、水晶体が人間の倍の厚さがあり、そのためにピントを合わせる能力が弱いと考えられるからです。

ただ、猟犬などは遠くも見えるようなので、犬種によって視力に違いがあるようです。

余談になりますが、犬には人間にはない第三のまぶたと呼ばれるものがあります。

これは瞬膜と呼ばれるもので、眼にはいった異物を取り除く働きをします。

のように手でこすったり、洗い流したりできませんので、こういう器官が備わっているのでしょう。